令和5年度大注目!自家消費太陽光には産業用蓄電池がセットの時代へ

ストレージパリティ補助金で設置必須となった産業用蓄電池を解説

産業用蓄電池とは

環境省による自家消費太陽光補助金である「ストレージパリティ補助金」において、令和5年度から産業用蓄電池の設置が必須となりました。
自家消費太陽光で発電した電気を無駄なく利用することを促進し、国として脱炭素化を進めていくことが目的です。

蓄電池自体の仕組みは難しくなく、モバイルバッテリーと変わりません。
モバイルバッテリーを大きくしたものが家庭用蓄電池となり、さらに大きくなったものが産業用蓄電池となります。

ご自宅で蓄電池を設置している方もいらっしゃると思いますが、家庭用蓄電池は4~7kWhくらい。
それに対し、産業用はその数倍から数十倍の蓄電容量となります。

その分、装置自体大きくなり、熱もこもりやすくなることから排熱処理をしなければいけないなど、家庭用蓄電池よりも大掛かりな装置となります。

蓄電池の用途は主に3つです。
停電時の予備電源として使用する。
・蓄えた電気を最も使用電力が多い時間帯に使うことでピークシフトし、基本料金を下げる
・太陽光発電で余った電気を蓄え、太陽光発電の発電量が落ちる夕方~夜に放電し、電気使用料金を下げる

自家消費太陽光を設置することで、脱炭素化・電気代削減が可能となりますが、蓄電池をセットで設置することによりその効果が大きくなるだけではなく、
BCP対策にもつながります。

ピークカット・ピークシフトについての解説はコチラをクリック

 

目的を明確にした上で蓄電容量・出力を決めることが重要

産業用蓄電池本体と周辺機器、その工事代を含め、20万円/kWhがおよその目安となります。

自家消費太陽光は屋根の面積、施設の消費電力に合わせて設計をすることになりますが、蓄電池は目的を考えて容量を設定しないと投資額がかなり高額になります。

仮に、昼の使用電力が100kWの施設において、停電時に全ての機器を稼働させるとすると、
停電から復旧までの時間を3時間と見込んだ場合、必要な蓄電容量は100kW×3時間=300kWhとなり、導入に6,000万円かかることになります。

多くの施設において、停電時に全ての設備・機器を稼働させる必要はないと思います。
停電時に絶対に止めたくない装置・機械を決め、それに必要な電気量を算出することで、投資額を下げることが可能です。

また、別の視点として太陽光発電とのセットにする場合、蓄電したい電力に対してどれくらい太陽光発電でまかなえるのかも考える必要があります。

太陽光発電の発電量が蓄電池に充電するのに十分な場合は電気代を大きく下げることは可能ですが、
そうではない場合、買電した電気を蓄電することになります。
停電対策が主な目的の場合には良いのですが、電気代削減効果は思ったほどではなくなってしまいます。

最終的に、目的と予算とのバランスを考えた設計が必要となります。
太陽光発電単体で設置するよりも検討に時間かかりますので、設置する場合は早めの相談が必要となります。

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蓄電池に活用できる補助金について

蓄電池単体の設置に活用できる補助金はあまりありません。
蓄電池を補助金活用で設置したい場合は自家消費太陽光とのセットと考えましょう。

自家消費太陽光発電については、2030年のカーボンニュートラルの実現に向け、この数年、国を「ストレージパリティ補助金」を実施しています。

(令和4年度のストレージパリティ補助金についての詳細が知りたい方はコチラをクリック)

ストレージパリティ補助金は、令和4年度まで自家消費太陽光のみでも補助対象となっていましたが、令和5年度から産業用蓄電池の設置が必須となりました。
国の補助金がそうなったことから、地方自治体の補助金についても同様の条件が付く可能性があります。

自家消費太陽光は、現在続いている電気代高騰対策として非常に注目が集まっており、補助金に対して応募が殺到しています。
募集終了期限を待たずに予算を超えて募集停止になることも多く、公募情報が出てから準備では間に合わない可能性が高くなってきています。

自家消費太陽光で発電した電気を有効活用することはもちろんですが、補助金で産業用蓄電池の導入が必須になったときに慌てないよう、
予め「自家消費太陽光+蓄電池」で早めの準備をすることをお勧めします

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