【実例紹介】会社への電気自動車の充電器設置を解説(補助金活用あり)
会社への充電設備設置について
補助金を使って電気自動車の充電設備を会社に設置する場合、検討段階で何に気を付けるべきなのか、どういった補助金が使えるのか、実例を踏まえて解説します。
CO2排出量の削減に向け、社用車を電気自動車に変えることや、従業員の通勤車において電気自動車への転換を進めていきたい経営者の方に、実例を交えて充電設備設置を説明していきます。
【このサイトの内容】
・社用車・通勤車に適した充電設備とは
・初期投資額を抑える方法
・充電インフラ補助金について
・実例紹介
EV充電器の設置は法人企業の駐車場以外にもあります。たとえば商業施設や道の駅、市役所などです。
EV充電器の設置を検討しいるけど進め方がわからない場合には、解説記事からご覧ください。
「EV急速充電器の設置費用と失敗しないためのポイントを解説」を見る
社用車・通勤車に適した充電設備とは
社用車・通勤車用の充電設備を設置する場合、充電コンセントか普通充電器が適しています。
充電設備には大きく分けて、次の5種類があります。
充電コンセント
・充電能力:3~6kW ※充電量の目安:1時間充電で、約30km走行
・充電時間:長い ※通常は夜から翌朝にかけて充電
・価格 :最も安い ※スタンドなど付ける場合には高くなる
ご家庭、会社にあるコンセントと同じようなものですが、電気自動車の充電専用となっています。
原則は、建物の外壁にコンセントを設置しますが、ポールや専用のコンセントスタンドを使えば、駐車場に自立させることができます。
充電したい場合、充電ケーブル(通常は電気自動車購入時についてくるか、購入。長さはメーカにより異なる。例.日産リーフの場合は7.5m)で、電気自動車とコンセントをつなぎます。
充電ケーブルは、普段は車のトランクに入れておくか、建物に保管することになります。
普通充電器
・充電能力:3~6kW ※充電量の目安:1時間充電で、約30km走行
・充電時間:長い ※通常は夜から翌朝にかけて充電
・価格 :10万円以上。課金タイプは60万円~
ホテルやゴルフ場に設置してある場合が多く、そういった施設の入口に「EV 200V」の記載がある場合には、普通充電器が設置してあります。
充電コンセントと充電能力はそれほど変わりませんが、充電ケーブルが備え付けてあります。
また、課金タイプもありますので、充電に対して有料にしたい場合には対応することができます。
急速充電器
・充電能力:10kW~ ※充電量の目安:50kWの場合は30分充電で、約150km走行
・充電時間:短い ※通常は30分充電
・価格 :200万円以上
高速道路のサービスエリアや、ディーラー、道の駅などに設置してある場合が多いです。
そういった施設の入口には「EV QUICK」の記載があります。
充電器、工事費ともに高額であるだけではなく、電気自動車のバッテリーへの負担が大きいことから、通常は会社に設置することはありません。
「近隣に開放し、地域貢献をしたい」「業務の都合上、普通充電器と併設する必要がある」「集客効果を出したい」などの理由がある会社が設置しています。
原則は、課金タイプとなります。
もしもEV急速充電器で集客を検討している場合には、こちらの記事もご確認ください。
EV急速充電器の設置で集客ができる業態とは?
V2H
・充電能力:3~9kW ※充電量の目安:1時間充電で、約30km走行
・充電時間:長い ※通常は夜から翌朝にかけて充電
・価格 :50万円以上
Vehicle to Homeの略語となり、電気自動車のバッテリーを建物の電源として利用するシステムです。充電だけではなく、放電ができることが特徴です。
電気自動車から建物に放電する目的は、「非常用電源」「買電量を減らすため」の2つとなります。
会社に設置する場合、以下のような注意点があります。
・全部の設備に放電することができない(例.業務用エアコンはダメ)
・対応車種が決まっている
・充電と放電を繰り返すと、電気自動車のバッテリーが劣化が早い
輸入車専用充電器
輸入車の場合、専用の充電器の設置をディーラーが勧めてくる場合があります。
車両価格に充電器の費用が含まれていることもあります。
専用充電器は、設置業者が指定されており、通常の工事店では対応できないことがあります。
なぜ、充電コンセントか普通充電器がおススメ?
主な理由は以下の通りです。
・本体価格を抑えられる
・工事費を抑えられる
・維持費がかからない ※無課金の場合
・車への負担が少ない
一見、急速充電器が便利なように見えますが、場合によりキュービクルの設置が必要となり、工事費が高額になることがあります。
また、課金タイプはメンテナンス契約、通信費がかかるため、維持費がかかります。
課金したとしても、現状の課金単価が安いため、維持費を賄うことは難しいです。
充電器は設置してから8年くらいが交換の目安となります。
その都度、高額な出費となるため、急速充電器を設置しなければいけない理由がない限りは、設置はおススメしません。
V2Hは便利ですが、そのメリットを生かせるかは会社の状況次第となります。
停電対策をメインとするのであれば、蓄電池を設置した方が経費・使い勝手の両方でメリットが大きいことが考えられます。
そういった理由から、充電コンセント、普通充電器の設置をおススメします。
初期投資額を抑える方法
初期投資を抑える方法として、3つのポイントをお伝えします。
ポイント1.充電器の選び方
充電器の種類、なぜ充電コンセント・普通充電器がお勧めなのかは、先ほどお伝えした通りです。
その上で、さらにどういった機器を選べばいいのかをお伝えします。
壁付けがおススメ
自立式とと壁付けの2つがありますが、安く抑えるならば壁付けをお勧めします。
自立式にする場合、スタンド型のものを選ぶか、専用のポールを設置する必要があります。
どちらも壁付けよりも高くなります。
充電コンセントを例にすると、コンセント自体は1万円程度でも、そのスタンドが5万円近くかかる場合があります。
また、自立式の場合、充電器を地面に固定させるために基礎を作ります。
そうなると、駐車場の掘削、コンクリートを打つ必要があります。
充電設備を建物に壁付けで設置し、そこから届く場所を充電用の駐車スペースにできればベストです。
無理に出力が高いものにしない
普通充電器の場合、充電出力が3~6kWと幅があります。
出力が大きいほど、充電能力が高いことになりますが、そもそも普通充電器は長時間の充電が必要です。
仮に、夕方17時から翌朝の8時まで充電できるようであれば、15時間充電することができます。
出力が3kWでも理論上は45kW充電でき、普通の電気自動車であれば満充電となります。
充電時間が短いのであれば出力を上げる必要がありますが、そうでないのであれば無理に出力が高いものにする必要はありません。
普通充電器ではなく、EV急速充電器を設置する場合もあります。
EV急速充電器の設置をする場合の出力は50kWがベスト
ポイント2.なるべくキュービクルや分電盤から近い場所に設置する
充電設備に電気を送る必要がありますので、キュービクルや分電盤と充電設備を配線でつなぐことになります。
この距離が長いほど、電線の費用が高くなります。
また、充電器までの距離が長いと、敷地内に電柱を建てて配線するか、地面を掘って電線を埋設することになるため、その費用もかかることになります。
なるべく配線が短く済む場所に設置することをお勧めします。
EV急速充電器の設置工事の内容と工事期間について
ポイント3.将来的に何台設置するのかを予め決めておく
電線は、通す予定の電流の量によって種類が分かれます。
後で充電器を増設したいと思った時に、1台目設置で配線した電線が、そのままでは使えず、配線し直しになる可能性があります。
また、充電器1台で3~6kWの電力が必要となるため、台数が多く設置する場合、電気の契約を変えなければいけなかったり、キュービクルを設置する必要が出てきます。
そうなると、場所の変更や配線のし直しが発生する可能性があり、余計な支出につながります。
後々二度手間で余計な経費をかけないようにするためにも、どの場所に何台設置したいのかを予め決めておくとよいでしょう。
充電インフラ補助金について
経産省の予算である充電インフラ補助金が、充電器設置に使える補助金です。
「EV急速充電器の設置に使える補助金」のまとめ記事を読む
簡単に説明すると、
・充電器は2分の1補助
・工事費は定額(最大で約100万円)
・募集時期は3月~9月
という補助金です。
詳細については、こちらの記事(充電インフラ補助金についてはコチラ)に記載してありますので、このページでは、この補助金を活用する上で、注意が必要なことをお伝えします。
機器の納期に注意
充電コンセント以外は、原則はどのメーカーも受注生産となります。
実績報告(工事が終了し、支払いまで終わったことを領収書等と一緒に報告)の期限が決められており、それまでに完了していないと、補助金をもらうことはできません。
補助金は交付決定(申請した内容が採択されること)されてから正式な注文となりますので、納期が長い機器の場合、せっかく交付決定しても補助金を活用することはできません。
新型コロナによる影響が大きかった時期に比べれば少し落ち着きましたが、それでも半年以上かかる機器もありますので、予め納期を確認するようにしましょう。
補助金に対応できる工事店なのかを最初に確認
補助金を申請するためには、様々な書類が必要となります。
この充電インフラ補助金の場合、図面作成が必要となりますが、通常は図面作成は有料です。
補助金が交付されるかどうかに関わらず、作成段階で支払いが必要になる場合がありますので注意しましょう。
また、見積書についても、所定の書き方で作成する必要があります。
工事店にとっては、こういったことも手間がかかるため、後からお願いしても断れれるか、見積額が上乗せになることも考えられますので、最初に補助金申請に対応してもらえるのかを確認するようにしましょう。
明電産業グループでは、充電インフラ補助金に合わせた対応を行っております。
充電インフラ補助金を活用を検討される場合、まずは明電産業グループにお問い合わせください。
実例紹介
それでは、会社に補助金を活用して充電コンセントを導入した実例を、写真と共に紹介させていただきます。
設置内容
まずは、設置内容は以下の通りです。
【概要】
・会社オフィスビルに充電コンセントを2台設置
・設置理由:社用車として電気自動車を導入+従業員の通勤車の充電用
・設置経費:60万円(税抜)
・補助金額:48.3万円(税抜)⇒実質負担額:11.7万円
このように、補助金を活用することで、実質負担額を約6分の1にまで減らすことができます。
電気自動車の普及を進めるため、電気自動車の購入、充電器の設置の両方に補助金が支給されます。
予算終了段階で受付終了となりますので、活用したい方は早めに準備しましょう。
分電盤
今回は建物内の1階にある分電盤から充電器の電気をとることにしました。
実際に電気を取って大丈夫かチェックをしてから配線を検討しました。
増設盤
充電コンセントを2台設置するため、そのためのブレーカーを増設するために分電盤を増設しました。
配線
庇の中を通し、設置場所の近くから露出させて充電コンセントまで配線しました。
既設の別の配管があったため、それを避けるように設置します。
配線を保護およびしっかりと固定することで安全にも考慮した設置を行います。
充電コンセント
2台設置し、最後に電圧を測定し設置完了。
施主様の電気自動車の納車日が数日後に迫っている中で、無事に完了させることができました。
いかがでしたでしょうか。
後付けの設備となりますので、事前の設計、補助金申請、設置に至るまで、しっかりと対応できる工事店に依頼することが大切です。
明電産業グループでは、皆様に安心してお任せいただける対応を心がけております。
EV急速充電器の設置場所ごとに設置のメリットをまとめている記事があるので、ご覧ください。
「【17選】法人向けEV急速充電器の設置場所」の記事を見る
設置を検討する際には、お気軽にご相談ください。
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