【解説】ピークカットとピークシフトとは?太陽光発電と蓄電池を使った電気代削減
このコラムでは、電気代削減方法であるピークカットとピークシフトについてその違いを解説します。
高圧電気料金の仕組みについて
ピークカットとピークシフトの違いの前に、まずは高圧電気料金の仕組みについて理解する必要があります。
高圧契約の場合、大きく分けると「基本料金」と「従量料金」の二つに分かれます。
【高圧契約の電気料金算出方法】
・基本料金(基本料金単価×契約電力×力率割引) + 電気量料金 + 再エネ賦課金 + 燃料調整費
「電気料金」「再エネ賦課金」「燃料調整費」はその月の電気使用量により決まります。
電気量料金はだいたい16円/kWh、再エネ賦課金は2023年4月までは3.45円/kWh、燃料調整費は電力会社により異なりますが、東京電力であれば2023年1月は12円54銭/kWhとなっています。
従って、東京電力で高圧契約をしている場合、1kWhあたりだいたい32円がかかることになります。
使用する電力量により変動しますので、使用電力量を抑えればすぐに電気代削減につながることになります。
一方、基本料金における基本料金単価は「最大デマンド」で決まり、仮に電気使用量を下げたとしても直ぐに下げることができません。
高圧契約では30分毎の平均使用電力を365日、24時間計測されています。
この30分毎の平均使用電力を「デマンド」といい、その月で一番大きい値のデマンドを「最大デマンド」といいます。
その月の最大デマンド値が過去12か月の最大デマンド値と比べて小さければ問題ありませんが、仮にそれを超えてしまうと契約電力が上がり、基本料金が上がります。
そして、一度上がった契約電力は1年間は下がりません。
さらにやっかいなことに、過去12か月の最大デマンド値を上回ると、その月から契約電力が上がってしまいます。
上がりやすく下げにくいのが基本料金となります。
基本料金単価はだいたい1,700円/kWとなりますので、仮に50kW上がってしまうと年間で約100万円電気料金が増えることになってしまいます。
ピークカット、ピークシフトは、この基本料金単価を下げるために、最も電気使用量が多い時間帯の買電量を減らす手段となります。
ピークカットについて
先ほどの章で述べた通り、高圧契約で電気代を削減させたい場合は、単に電気使用量を抑えるだけではなくデマンド値を抑える必要があります。
その手段の1つが自家消費太陽光発電設備によるピークカットです。
通常、最も電気を使用する時間帯はお昼を挟んだ数時間です。
その時間帯は太陽光発電の発電量が最も多くなる時間帯ですので、発電した電気を使用すれば買電量を抑えることができます。
自家消費太陽光発電設備を設置すると、単に消費電力量を抑えるだけではなくピークカットをすることにより基本料金も抑えることができます。
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ピークシフトとは
最大デマンドを抑えることで基本料金を下げる方法がもう一つあります。
それが産業用蓄電池を活用したピークシフトです。
通常、夕方~夜間は消費電力が少なくなるため、最大デマンド値になることはありません。
その時間帯に蓄電池に充電しておき、電気を多く使う時間帯にその電気を放電することで、デマンド値を抑えることができます。
ピークシフトとは、「電力の使用が少ない時間帯に電気を貯めておき、多く使用する時間帯に使うこと」です。
産業用蓄電池は自家消費太陽光発電との相性が良く、セットで使用することで電気代削減と脱炭素化の両方を効率よく進めることができます。
自家消費太陽光発電に活用できる補助金の場合、産業用蓄電池も補助対象になることが多く、今後はセットでの導入がより増えていくことが予想されます。
コラム:太陽光発電のお役立ち情報
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まとめ
高圧契約において、電気代を削減するためには、単に消費電力を抑えるだけではなく、デマンド値を抑える必要があります。
自家消費太陽光によるピークカット、産業用蓄電池によるピークシフトは電気代の削減に有効な手段といえます。
また、自家消費太陽光も産業用蓄電池も、脱炭素化につながる設備として、国、地方自治体から補助金が多く出されています。
補助金を活用すれば、負担を少なくして、電気代削減・脱炭素化につなげることができます。