【令和6年度】環境省:太陽光と蓄電池が対象の再生可能エネルギー事業者支援事業費(ソーラーカーポート)補助金
令和6年度もソーラーカーポート補助金が実施されます。
この記事は
・建物の築年数や強度の問題があり、太陽光発電を屋根上に設置できない
・太陽光発電を増設したいが、これ以上屋根に載せることができない
・駐車場がかなり広いが、有効活用できていない
そういったお悩みの企業様向けの内容です。
この記事では
・ソーラーカーポートの種類
・屋根上の太陽光発電との違い
・メリット・デメリット
・相場
・令和6年度の補助金
をお伝えします。
明電産業グループでは、屋根上の太陽光発電だけではなく、補助金を活用したソーラーカーポートの設置実績があります。
その経験を基に、ソーラーカーポートの設置について、詳しく説明していきます。
令和6年に中小企業が使える補助金は別の記事にまとめています。
令和6年度版:全国の中小企業向け補助金・助成金一覧を見る
中小企業が太陽光発電設備の導入で補助金が探せるように、まとめ記事を作成しています。
参考にご覧ください。
全国の企業が太陽光発電設備に使える補助金
【全国】で、太陽光発電設備に使える補助金・税制優遇制度の一覧
ソーラーカーポートについて
ソーラーカーポートの種類
ソーラーカーポートは、大きく2つに分かれます。
1.太陽光発電一体型
カーポート自体が太陽光パネルを設置することを前提に設計されており、次のような特徴があります。
・屋根面全体に太陽光パネルを設置できる
・地面からの反射光も発電できる両面型の太陽光パネルがある
・太陽光パネルを設置しやすいよう、フラットな外見
2.太陽光発電搭載型
カーポートと太陽光パネルが別々になっているタイプです。既にカーポートがある場合は、後付けになりますのでこちらのタイプを設置することになります。
次のような特徴があります。
・カーポートと太陽光パネルが別々に選べるため、商品の選択肢が多い
・屋根全体に設置できず、空きスペースが生じる
・カーポートの強度によっては設置ができない
搭載型の場合、強度と素材の問題があります。
金属製の折半屋根に設置となり、荷重に耐えらえるようにしなければいけません。
特に、積雪がある地域ではその分も計算して設置ができるのかを確認する必要があります。
設置を検討している駐車場に屋根がない場合、一体型を設置するか、とりあえずカーポートを設置してから太陽光を検討するかの二択になりますが、
予算が許すのであれば、一体型をお勧めします。
理由は、一体型は、車1台分の大きさから、法人用に車10台以上の大きさまでバリエーションがあることと、面積当たりの発電量を多くすることができるからです。
別々の業者に依頼する必要もなく、手間を考えても一体型をお勧めします。
建物の屋根置きとの違い
太陽光パネル
太陽光パネル自体は建物の屋根に設置するものと変わりませんので、どのメーカー、パネルを選ぶかによりますが、一体型の場合、反射光からの発電もできるよう、両面で発電できるパネルを設置できます。
そうすると、屋根の上に設置するよりも発電効率が良くなります。
設置の高さ
施設の屋根に設置するよりも低い位置に設置することになります。
そうすると、周囲の建物や木の陰の影響を考える必要があります。
また、落ち葉などでパネル面が隠れてしまうこともありますので、定期的な清掃が必要となります。
事故のリスク
常に車の出入りがありますので、事故のリスクが0ではありません。
万が一事故が起きた場合、修繕費が通常のカーポートよりも高額になる可能性があります。
また、10kW以上の出力になる太陽光発電を設置する場合、保安規則が厳しくなります。
すぐに修繕する必要がありますので注意が必要です。
メリット・デメリット
ソーラーカーポートには、次のようなメリットがあります。
【メリット】
・施設の屋根に太陽光パネルを設置できない場合でも太陽光発電による電気代削減ができる
・駐車場の有効活用ができる
・施設の屋根上に比べて足場設置の必要がなく、メンテナンスが楽
特に1つ目にある、「太陽光発電設置の恩恵」を受けられることが大きいです。
太陽光パネルは20年近く設置することになります。
建物の老朽化を心配し、設置を迷ってしまう場合も、ソーラーカーポートなら心配ありません。
また、屋上にキュービクルやエアコンの室外機などの設備が既に設置してあり、パネル設置のための十分な面積が取れない場合でも、駐車場を活用すれば発電量を増やすことができます。
次に、デメリットです。
【デメリット】
・設置費用が高額
・建築確認申請が必要。建ぺい率などの問題により、設置できない可能性あり
・周囲環境の影響を受けやすい
特に1つ目にある、「設置費用が高額」がネックになります。
カーポート自体の購入費がありますので、施設の屋根の上に太陽光パネルを設置するよりも高額になります。
それを解決する方法が補助金の活用です。
国として、太陽光発電を促進するためにカーポートに対して補助金を出しています。
補助金については、後ほど詳しく説明します。
ソーラーカーポートの相場
まず、車4台分の大きさのソーラーカーポートを基準として考えていきます。
車4台分の大きさの一体型ソーラーカーポートであれば、だいたい出力が10kWになります。
この大きさのソーラーカーポートの相場は、設置工事費を含めて300~400万円です。
だいたい1kWあたり30~40万円となり、同程度の屋根設置の太陽光発電が1kWあたり20~30万円であることに比べると高額であるといえます。
しかし、設置する規模が大きくなるほど単価は下がることになります。
駐車場が広い企業の場合は、少しずつ増設するよりも、ある程度のボリュームを補助金を活用して設置する方がトータルとして経費を抑えることができます。
補助金について
脱炭素化に向けて、国は太陽光発電の設置を補助金で後押ししています。
特に、ソーラーカーポートに対しては「新しい手法」として、通常の太陽光発電の補助金よりも補助を手厚くしています。
【環境省】新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業のうち再生可能エネルギー事業者支援事業費
<ソーラーカーポート事業>
この補助金は令和6年度も実施されます。
詳細は次の通りです。
【補助対象設備】
・ソーラーカーポート
・蓄電池
・車載型蓄電池(EV)
・充放電設備(V2H)
・EV充電設備
【補助率】
・ソーラーカーポート、蓄電池:3分の1
・車載型蓄電池:蓄電容量(kWh)÷2×4万円
・充放電設備、EV充電器:2分の1
【補助上限】
・1億円
【対象事業者】
・民間企業、学校法人、医療法人、社会福祉法人 等
【申請期間】
・一次:令和6年4月23日~5月21日
・二次:令和6年6月18日~7月16日
※予算が超過次第終了
環境省が実施している、通常の自家消費太陽光発電の補助金である「ストレージパリティ補助金」は1kWあたり4万円の補助となります。
また、蓄電池が必須ではないことと、余剰売電も可能(但し、FIT/FIPは不可)ですので、費用の問題がクリアになれば、こちらの補助金は非常に魅力的です。
次に、申請条件です。
・導入設備による発電量の50%以上の自家消費が施設内で行われること
・パワーコンディショナーの最大定格出力が5kW以上かつ、積載率は1以上であること
・費用対効果の基準を下回ること
【ソーラーカーポートの費用対効果の基準】
・10kW未満:27.75万円/kW
・10~50kW未満:18.97万円/kW
・50kW以上:18.24万円/kW
※強風地域・多雪地域は別途基準有
相場から考えて妥当な費用対効果となりますが、状況により設置費用が上がるのがソーラーカーポートです。
実際に見積を早めに取り、費用対効果を下回るかを判断することが大切です。
コラム:太陽光発電のお役立ち情報
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まとめ
ソーラーカーポートは、施設の屋根に設置できなくても太陽光発電の恩恵を受けることができます。
電気代削減高騰が続く中、駐車場を有効活用して電気代を削減することができます。
今なら補助金を活用すれば、負担を少なくして導入することができます。
興味がある方は、早めの相談をお勧めします。