
【完全ガイド】環境省「地域共生型太陽光発電補助金」令和7年度版 – 営農・水上での再エネ導入を徹底解説

この記事は、環境省のソーラーシェアリング(営農地)補助金の解説ページです。
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの導入は日本社会全体の喫緊の課題です。
この記事では、環境省が推進する「民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業」の中でも、特に注目度の高い「地域共生型太陽光発電設備の導入促進事業」について、申請を検討する企業、個人事業主、各種法人の皆様のために、その詳細を網羅的に解説します。
公募要領やQ&Aのポイントを整理し、補助金活用のための具体的なステップと注意点をお伝えします。
補助金の概要
| 補助事業名 | 令和6年度(補正予算)及び令和7年度 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業) |
|---|---|
| (2)設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業 | |
| ①地域共生型の太陽光発電設備の導入促進事業(営農地・水面等) | |
| 対象設備 | 太陽光発電設備 蓄電池設備 |
| 補助上限 | 1憶5,000万円(1/2以内) |
| 申請期間 | 一次公募:令和7年4月8日(火)~5月8日(木) 二次公募:令和7年6月10日(火)~7月8日(火) |
| 対象者 | 民間企業/個人・個人事業主/社会福祉法人、医療法人等 |
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本補助事業の基本情報:目的と全体像
事業の目的:再生可能エネルギー導入と地域共生
本事業の根幹をなす目的は、再生可能エネルギーの導入を加速させると同時に、その導入が地域社会と調和し、共生する形で行われることを促進することです。
これにより、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献することを目指しています。
事業の全体像:2つの事業カテゴリー
本補助事業は、大きく分けて以下の2つのカテゴリーから構成されます。
- 営農地事業
- 農業を継続しながら、農地の上部空間などを活用して太陽光発電設備を導入する事業。いわゆる「ソーラーシェアリング」がこれにあたります。
- 水面等事業
- 農業用ため池、ダム湖、貯水池などの水面を活用し、フロート式(浮体式)の太陽光発電設備を導入する事業。
なお、本事業の執行は、環境省から委託を受けた**一般社団法人 環境技術普及促進協会(ETA)**が行います。
Q&A:この補助金のキホン
補助対象事業の具体的な要件
補助金を受けるためには、事業の種類ごとに定められた詳細な要件を満たす必要があります。
営農地事業の主な要件
- 農地の条件
- 農地転用許可を取得した農地である必要があります。採草放牧地も対象に含まれます。
- 農業活動の継続
- 太陽光パネルの下部で農業生産活動が適切に継続されることが絶対条件です。
- 農地転用許可の取得時期
- 【重要】 農地の一時転用許可は、補助金の交付申請時までに取得し、その許可書の写しを提出する必要があります。
- 許可取得には時間を要する場合が多いため、早期に所轄の農業委員会との協議を開始することが不可欠です。
- 対象外の設備
- 一般的な住宅や工場の屋根に設置する太陽光発電
- 園芸用施設(ビニールハウス)の上屋への設置
水面等事業の主な要件
- 対象水面
- 農業用ため池、湖沼、貯水池、ダム湖、調整池、養殖場などが対象です。
- 対象外施設
- 遊水地や雨水貯留施設など、平常時には水面が現れていない施設は補助対象外となります。
全事業共通の重要要件
- コスト要件
- 補助金交付後の実質的な導入費用が、パワーコンディショナ(PCS)の定格出力1kWあたりで定められた以下の基準額を下回る必要があります。
- 計算式
- [(太陽光発電設備の補助対象経費)× 1/2] ÷ [PCSの最大定格出力(kW)]
- 基準額(一般地域)
- 10kW以上50kW未満のPCS:24.02万円/kW
- 50kW以上のPCS:18.94万円/kW
- 電力の供給先
- 発電した電力は、自家消費を基本とし、以下の施設への供給が認められています。
- 発電設備と同一敷地内の施設
- 自営線で接続された施設
- 地方公共団体の施設
- 地域防災計画に位置づけられた避難施設
- 発電した電力は、自家消費を基本とし、以下の施設への供給が認められています。
- 余剰電力の売電制限
- FIT/FIP制度の認定は取得できません。また、上記で認められた供給先以外への売電は不可です。
- 停電時対応(BCP)
- 災害等による停電時にも電力を供給できる自立運転機能付きのシステム構成が必須です。
補助対象となる経費・ならない経費
補助金の申請にあたり、どの費用が対象になるかを正確に把握することが成功の鍵となります。
補助対象となる経費リスト
- 設備費
- 太陽光発電設備
- 太陽光パネル、架台、基礎、接続箱、パワーコンディショナ、配線など。
- 定置用蓄電池
- 業務・産業用、家庭用。ただし、太陽光で発電した電気を繰り返し充放電するものが対象で、保安防災目的のみのものは対象外。
- その他設備
- 自営線、エネルギーマネジメントシステム(EMS)、受変電設備。
- 太陽光発電設備
- 工事費
- 上記設備の設置に直接必要な本工事費、付帯工事費、測量・試験費など。
- その他
- 業務費、事務費など、協会が認めた経費。
補助対象外となる経費リスト
以下の経費は補助対象外です。見積もり作成の際はご注意ください。
- 土地の購入・造成・賃借に関する費用
- 建物の建設費用
- 各種申請・届出・登録に関連する費用(農地転用申請費用など)
- 設備の保守・管理費用、ランニングコスト、各種保証料
- 既存設備の撤去・処分費用
- 消耗品(例:定期交換が必要な消火器)
- 原則として、消費税および地方消費税
- 補助金申請手続きそのものにかかる費用
特に注意すべき経費の扱い
- 自社製品の調達
- 補助事業者が自社の製品やサービスを調達する場合、利益を排除した原価(製造原価など)で経費を計上する必要があります。
- 見積書
- 見積書に「一式」という表記は認められず、設備費や材料費は具体的に記載する必要があります。また、労務費は計算式と根拠資料の添付が求められます。
補助金額と事業期間
- 補助率:補助対象経費の2分の1
- 上限額:1億5,000万円
- 事業期間
- 原則として単年度事業です。交付決定日から令和8年1月31日までに事業の全ての工程(支払いを含む)を完了させる必要があります。
- 特例として、水面等事業でPCSの合計出力が1,000kW以上の場合に限り、2年度以内の事業計画が認められることがあります。
応募資格と共同事業の進め方
応募できる事業者の条件
- 民間企業
- 個人・個人事業主(農林水産事業者であり、営農地事業に限る)
- 独立行政法人、地方独立行政法人
- 国立大学法人、公立大学法人、学校法人
- 社会福祉法人、医療法人
- 各種組合・認可法人
- 一般社団法人・財団法人、公益社団・財団法人
- 農林水産事業者の組織する団体(農業法人など)
共同事業(コンソーシアム)での申請ルール
複数の事業者が連携して申請する際には、明確な役割分担が必要です。
- 代表事業者
- 補助事業を主体的に実施し、補助金で導入した設備を所有する事業者。補助金の交付は代表事業者に対して行われます。
- 共同事業者
- 代表事業者と連携して事業を行う者(電力需要家など)。
- 採択後の変更不可
- 採択後に代表事業者や共同事業者を変更することは原則できません。
申請・実施・完了後の重要チェックポイント
補助金事業は、申請から事業完了後まで、遵守すべき事項が多数あります。
- 【最重要】事業開始のタイミング
- 必ず交付決定通知日以降に契約や発注を行ってください。それ以前の経費は全て補助対象外となります。
- 計画変更
- 当初提出した計画から内容を変更する場合、必ず事前に協会に相談し、承認を得る必要があります。無断での変更は補助金交付の対象外となるリスクがあります。
- 災害対策
- 設置場所がハザードマップで土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域に指定されている場合、設備の保全措置が求められます。
- 財産管理と処分
- 補助金で取得した設備は、法定耐用年数の期間中は適切に管理・維持する義務があります。この期間内に設備を処分(売却、譲渡、廃棄等)する場合、事前に協会の承認を得なければならず、補助金の返還が必要となる場合があります。
- 廃棄費用の積立義務
- 10kW以上の太陽光発電設備を導入する場合、将来の廃棄・リサイクル費用をガイドラインに基づき計画的に積み立てる義務があります。
- 情報公開への同意
- 採択された事業は、事業者名、設置場所、発電量などの情報が環境省によって公開されることに、申請をもって同意したものとみなされます。
まとめ
環境省の「地域共生型太陽光発電設備の導入促進事業」は、営農地や水面といった未利用スペースを活用し、地域貢献と脱炭素化を同時に実現するための強力な支援策です。
しかし、その活用には各種要件の遵守や計画的な手続きが不可欠です。
本記事で解説したポイントを押さえ、公式サイトの公募要領やQ&Aを熟読の上、十分な準備期間をもって申請に臨むことをお勧めします。
地域社会と共生する持続可能な再エネ事業の実現に向けて、本補助金の活用をぜひご検討ください。

