空調の節電効果を高める13の方法|省エネのためにできることとは?

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「空調の節電効果を高めたい」「省エネ対策にはどのようなものがある?」

このようなお悩みをお持ちの方は少なくありません。

近年の電気代の高騰に伴い、事業所や工場の消費電力を削減する方法をお探しの方も多いはずです。

中でも、空調は業種を問わず消費電力に占める割合が高い傾向があるため「どのように節電すればよいのか」と頭を抱えている担当者も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、空調の節電効果を高める方法を「今すぐできるもの」と「コストはかかるが大きな節電効果が期待できるもの」に分けて計13通り解説します。

また、最後にコストを抑えて設備を導入する方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

重要なポイント

空調の節電効果を高めるための基礎知識

まずは、近年の空調に関する基礎知識を理解するために、以下の2点を解説します。

  • 業種別空調コストの割合
  • 平均電気料金単価推移

業種別空調コストの割合

空調が電気代に占める割合は多いとはいわれるものの、実際にどれくらいかかっているのかピンとこない方も多いはずです。

そこでここでは、夏季の電力消費の割合をオフィスビル・医療機関・製造業に分けてご紹介します。

オフィスビルの電力消費の内訳

設備空調が電気代に占める割合
空調48.6%
照明23.1%
パソコン6.6%
複合機7.3%
エレベーター等7.3%
その他7.0%
出典:経済産業省 夏季の省エネ・節電メニュー 事業者の皆様

医療機関の電力消費の内訳

設備空調が電気代に占める割合
空調34.7%
照明32.6%
パソコン3.1%
複合機6.0%
エレベーター等2.5%
冷凍・冷蔵2.3%
調理機器2.3%
給湯2.0%
医療機器6.6%
その他8.0%
出典:経済産業省 夏季の省エネ・節電メニュー 事業者の皆様

製造業の電力消費の内訳

設備空調が電気代に占める割合
生産設備83%
一般設備(空調・照明)17%
出典:経済産業省 夏季の省エネ・節電メニュー 事業者の皆様

どの業種においても、空調が大きな割合を占めていることがわかります。

平均電気料金単価推移

一般社団法人エネルギー情報センターのデータによると、直近1年間の平均電気料金単価の推移は以下の通りとなっています。

スクロールできます
2023年2024年
6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月4月5月
電気料金単価
(円/kWh)
30.2926.5123.623.7330.1433.0330.0426.3627.0928.0330.2232.03
出典:一般社団法人エネルギー情報センター 電気料金単価の推移(2024年9月時点の最新データ)

平均電気料金単価は上昇傾向であるため、今後はどの事業所においても節電対策が必要であるといえるでしょう。

空調の節電効果を高める方法9選【今すぐ実施可能】

事業所において空調の節電の重要性は理解しているものの、どのようにアクションを起こせばよいかお悩みの方は多いはずです。

そこで本章では、空調の節電効果を高める方法の中でも、今すぐに実施できるものを9つご紹介します。

 1.空調の設定温度を見直す

まずは、空調の設定温度を見直すところから始めましょう。

なぜなら、1℃設定温度を見直すだけでも、大きな節電効果を得られるためです。

環境省の特設サイト「みんなで節電アクション!」によると、温度設定を1℃変更することで得られる消費電力削減効果は以下の通りです。

・冷房時:温度設定を1℃高くすると約13%(約70W)の消費電力の削減

・暖房時:温度設定を1℃低くすると約10%の消費電力の削減

なお、室温の目安は、冷房時28℃・暖房時20℃といわれています。

部屋ごとに室温を調査し、適正な設定になるよう見直しを図りましょう。

2.空調の稼働時間を見直す

空調の節電を考える際には、空調の稼働時間の見直しも実施しましょう。

理由はシンプルで、空調を稼働させる時間が長ければ長いほど、電力消費が増えてしまうためです。

たとえば、空調は電源を停止した後でも15分〜30分は冷気や暖気が残っているため、終業時刻よりも早めに停止すると、温度環境を大きく変えることなく節電を実現できます。

また、始業時は工場内のエアコンを一気に稼働させるのではなく、分散して起動させることで、ピーク電力を抑える効果が期待できるので試してみてください。

 3.利用していない場所の空調を停止する

節電効果を高めるのであれば、利用していない場所の空調は確実に停止しましょう。

当然ですが、不要な場所でエアコンが稼働していても、無駄に電力を消費してしまうだけです。

個別空調の場合は不要な場所のスイッチを切れば問題ありませんが、セントラル方式の場合はダンパを閉じたり、風量制御で送風をオフにしたりして空調を停止するようにしましょう。

4.ブラインドなどで遮光する

空調の節電効果を高めるために、ブラインドなどで遮光するのも効果的です。

特に、夏季は窓から直射日光が入ることで室内の温度が上がってしまい、空調に大きな負荷がかかってしまうためです。

全時間帯ですべての窓のブラインドを下ろしていても問題ありませんが、西側は14時以降、東側は退社時に下ろしておくと、温度環境を整えながら適度に光も入れられるため、適宜調節することをおすすめします。

なお、冬は逆に日光を取り入れて室内温度を上げると暖房にかかる消費電力を抑えられるでしょう。

5.サーキュレーターや扇風機で空気を循環させる

サーキュレーターや扇風機で事業所内や工場内の空気を循環させると、空調を効率よく使用でき消費電力を抑えられます。

なぜなら、空気は温度が高いと上へ、低いと下へ行く性質があることから、空調をつけるだけでは工場内に「温度ムラ」ができてしまうためです。

温度ムラができてしまうと、例えば夏季であればエアコンが工場内の暖かい空気を感知し、まだ部屋が冷えていないと勘違いし、さらに部屋を冷やそうとしてしまいます。

その結果、強モードの稼働時間が延びてしまい、消費電力が上がってしまうのです。

サーキュレーターや扇風機を併用し、工場内の空気を循環させ温度ムラをなくすことで、無駄な電力消費を抑えられるでしょう。

6.室外機周辺の環境を最適化する

室外機周辺の環境を最適化することは、空調の運転効率をよくする上で非常に重要です。

最適化の例としては、室外機の周辺にものを置かないことが挙げられます。

夏場の場合、空調の運転中、室内の空気を排出するために室外機は常に放熱しています。

このとき室外機の前にものが置いてあり、吹き出し口が塞がれてしまうと、排出した熱風を再び吸い込んでしまうため、熱効率が下がってしまうのです。

また、夏場は室外機の温度を下げることも重要になります。

なぜなら、室外機の温度が直射日光などにより上がってしまうと、放熱するパワーが低下してしまい、必要以上に電力を使ってしまうためです。

室外機によしずを立てかけたり、少し離れた場所に植木を植えたりして日陰をつくると効果的です。

冬場も同じく室外機の前にものを置かないようにしましょう。

暖房時は室外機から工場内の冷たい空気が排出されていますが、吹き出し口が塞がれると吐き出した冷風を再び吸い込んでしまうため、同じように熱効率が下がってしまいます。

7.フィルターを定期的に清掃する

空調の節電には、フィルターの定期的な清掃も効果的です。

なぜなら、フィルターが目詰まりすると冷暖房の効率が下がり、電気代が上がってしまうためです。

実際、環境省の「みんなで節電アクション!」によると、フィルターの掃除をこまめに実施することで冷房時約4%、暖房時約6%の消費電力の削減になるという報告がされています。

なお、フィルターの清掃頻度は2週間に一度が目安といわれていますので、従業員で当番制にする・外部委託するなどして、こまめに清掃するようにしましょう。

8.外気取入量を最適化する

空調は室内の空気を吸い込み、冷やしたり暖めたりしているだけでなく、常に外気も取り込んでいます。

なぜなら、外の新鮮な空気を取り込むことで、室内の換気も同時に行うためです。

ただ、冷暖房運転時に外気を冷やしたり暖めたりするためには、多くの電力を消費してしまうというデメリットもあります。

そのため、外気取入量を最適化することで空調の負荷軽減になり、消費電力の削減につながるのです。

具体的な方法は機器によって異なるため、マニュアルを確認するか、メーカーに問い合わせてください。

9.空調用冷水の温度を調節する

セントラル方式の空調の場合、夏場の節電に限定した見直しではありますが、空調用冷水の温度を調節するのも効果的です。

独立行政法人中小企業基盤整備機構によると、空調用冷水を7℃から9℃にすることで、消費電力が7.5%削減できたそうです。

ただし、空調用冷水の温度変更は自力でできる場合とメーカーに調節してもらわなければならない場合があるため、事前にメーカーに変更方法を確認しておくことをおすすめします。

コストはかかるが大きな空調節電効果が期待できる方法4選

次に、コストはかかりますが、大きな空調節電効果が期待できる方法を4つご紹介します。

1.熱交換器の清掃を依頼する

熱交換器とは、室内機と室外機の両方に入っている機器で、空気を暖めたり冷やしたりする、空調の中でも重要なパーツの一つです。

この熱交換器を汚れたままにしていると、風を吸い込む力や吐き出す力が弱まってしまうため、必要以上に負荷がかかり、消費電力が上がってしまいます。

そのため、熱交換器の清掃を定期的に行う必要があるのです。

ちなみに、ダイキンによると、熱交換器を清掃することで消費電力が27%削減された事例もあるとのこと。

ただ、自力での清掃ではすべての汚れを除去することが難しいほか、故障や火災のリスクもあるため、基本的にはプロに依頼することをおすすめします。

2.断熱塗装を活用する

断熱塗装とは、熱伝導を抑える塗料を使った塗装のことです。

適切な場所に断熱塗装を施すことで、空調の節電効果を向上させられる可能性があります。

例えば、建物の壁面に断熱塗装を行えば、夏は外の熱を室内に伝わりにくく、冬は暖房によって暖めた空気を外に逃がしにくくする効果が期待できます。

ほかにも室外機に断熱塗装を施し、夏場の温度上昇・冬場の温度低下を抑制し、冷暖房効率の上昇を図る使い方もあるようです。

3.空調制御システムを導入する

空調制御システムとは、部屋の温度やエネルギー使用量などのさまざまなデータを取得・解析し、自動で快適な室内環境を保つシステムのことです。

データに基づいた空調運用が行えるため、不必要な消費電力を削減し、省エネ・脱炭素の効果を得ることも期待できます。

また、空調機器の温度調節の手間が省け、従業員が業務に集中できるため、生産性が向上するといったメリットもあります。

ただし、導入コストが高額になってしまうケースが多いため、投資資金が回収できるのか・ほかの方法はないかなど、社内で十分に検討したうえで導入の可否を決める必要があります。

もし空調制御システムの導入コストでお悩みであれば、省エネ補助金サポートセンターにご相談ください。

各種補助金を活用すれば、導入コストを抑えられる可能性があります。

利用可能な補助金があるかを代わりに探し、導入コスト低減のお手伝いをいたします。

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 4.省エネ効果の高い空調に更新する

空調制御も電気代削減に効果がありますが、空調自体の更新(交換)の方が圧倒的にコスト削減につながります。

軸は空調制御に置きつつも、さらに効果を期待する人には、空調の更新をおすすめします。

家庭用・業務用にかかわらず最新の空調は昔のものよりも省エネ性能が飛躍的に向上しているため、長期的に見ればその投資費用も十分回収可能です。

また、経済面だけでなく機能面でもさまざまなメリットを享受できるため、事業所や工場で働く従業員の満足度も向上させられるでしょう。

空調設備への投資資金が不足している場合は補助金の活用を検討しましょう!

「既存の空調設備が古いから、新しい空調に更新したい」

「空調制御システムを導入したいが、導入コストがネックになっている……」

このようにお考えであれば、省エネ補助金サポートセンターにご相談ください。

省エネ補助金サポートセンターでは、導入を検討している設備や見積もり金額などをお伝えいただくだけで、補助金の有無やその金額をお伝えいたします。

補助金は全事業者が必ず利用できるわけではありませんが、利用可能な補助金がある場合は空調の更新・空調制御システムの導入にかかる費用を大きく抑えられます。

なお、当社では、設備の仕入れ・施工・補助金の申請まで一括で対応しているため、それぞれにかかるコストや手間を大きく削減可能です。

導入コストを抑えたいとお考えであれば、お気軽にお問い合わせください。

悩むぐらいなら、まずはご相談ください(無料)

まとめ

最後に、空調の節電効果を高める方法をおさらいします。

◆すぐにできる方法
  1. 空調の設定温度を見直す
  2. 空調の稼働時間を見直す
  3. 利用していない場所の空調を停止する
  4. ブラインドなどで遮光する
  5. サーキュレーターや扇風機で空気を循環させる
  6. 室外機周辺の環境を最適化する
  7. フィルターを定期的に清掃する
  8. 外気取入量を最適化する
  9. 空調用冷水の温度を調節する
◆コストはかかるが大きな空調節電効果が期待できる方法
  1. 熱交換器の清掃を依頼する
  2. 断熱塗装を活用する
  3. 空調制御システムを導入する
  4. 省エネ効果の高い空調に更新する

もし「空調制御システムを導入したいけど費用がネック」「直近で空調を交換したが、あまり省エネ効果が感じられない」とお悩みであれば、省エネ補助金サポートセンターにご相談ください。

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