【企業・法人対象】脱炭素の目的と必要性とは?
2015年に世界平均気温の上昇を2℃未満に抑えることを目的としたパリ協定が採択されました。
各国は温暖化の原因であるCO2を削減する目標期限を2030年に設定し、その目標達成に向けた動きを加速させています。
この動きはあなたの会社が生き残る上で、とても大きな影響があります。
この記事では、企業にとっての脱炭素化の目的と必要性を解説します。
CO2削減は、売上拡大や融資に必要条件になる
現在、グローバル企業を中心としてRE100(事業運営を100%再生可能エネルギーで調達する取り組みの枠組み)や SBT(温室効果ガス削減目標の指標)等、脱炭素経営に向けた企業の取り組みが急速に広がっています。
この流れを受けて、直接的な事業活動に伴う温室効果ガスの排出のみならず、原材料・部品調達の段階も含めた排出量を削減する動きや、金融機関の融資先の選定基準に地球温暖化への取り組み状況が加わるケースが増えています。 中小企業にとっても、CO2排出削減が光熱費・燃料費削減という「守り」の要素に留まらず、売上拡大や金融機関からの融資等「攻め」の要素を持ってきていると言えます。
投資家の関心
多くの企業にとって自社への投資を呼び込むことは重要ですが、お金の出し手である投資家が脱炭素への関心を高めていることは、重要な背景となっています。 2020年頃から、機関投資家は脱炭素への投資姿勢を明確化、欧米の金融機関では毎月のようにカーボンニュートラルへの投資を明らかにしており、ゴールドマン・サックス・グループやシティグループ、JPモルガン・チェースなどが投資先の気候リスクを判断、石炭産業への融資を停止しています。
当然ながら日本でも同様の動きが出ており、厚生年金と国民年金の積立金を管理・運用している年金積立金管理運用独立行政法人は、2017年から「環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)」を重視したESG指数に連動する投資を進めています。
消費者の意識変化
近年の消費者の意識変化は、これまでの流れと一線を画しています。これは環境問題に限らず、差別やジェンダーの問題等についてもSNS等で批判が集まるケースがあるように、単純に「社会貢献をしよう」「世の中に良いことをしよう」という漠然としたものから、企業の個々の対応や姿勢に具体的に批判が向けられるようになりました。
例えば、三菱商事等が計画していたベトナムの石炭火力発電所のプロジェクトは、環境活動家による見直しの要請が発端となり、プロジェクト撤退を決定。 また東芝や三井物産も火力発電所の新規建設から撤退表明する等、こうした流れを受け石炭火力離れは加速しています。
この様に企業としてSDGsを掲げていても、石炭火力発電に関する取り組みが進まないことで批判を集めるように、企業の具体的対応に対し厳しい目が向けられるようになっています。
消費者の意識変化も、企業が脱炭素への取り組むべき要因の1つでしょう。
炭素税の本格導入
2021年3月、環境省がCO2排出量に応じて企業に税を課す炭素税の本格的導入検討が報道されました。
日本では既に2012年から「地球温暖化対策のための税(温対税)」が導入されていますが、欧州各国では1トン当たり数千円~1万円の税率であるのに対し、日本は289円と限定的なものに留まっています。
具体的な時期や制度は未定ですが、炭素税の本格的導入で今後企業にとっては環境負荷に対して様々な規制が強まっていくことが予想されます。
最後に
脱炭素は2030年に向けて世界中で加速するのは間違いありません。
それに伴い、企業の評価、他社との取引に影響が出ることが予想されます。
政府、自治体共に、脱炭素への取組を促進するために補助金を実施してますので、あなたの会社において、脱炭素化を進めていきたいと考えているようであれば、実際に見積等を取る前に私たちにお問い合わせいただければと思います。