中小企業が知っておくべきSDGsの取り組み方を事例(製造業/旅客業等)

中小企業が知るべきSDGsの取り組み方
「誰一人取り残さない」世界から取り残される?

ここ数年で様々な場面で見聞きするようになったSDGs (エスディージーズ) 。
今や「SDGsという言葉を聞いたことがない、知らない」という方は少なくなったのではないでしょうか。 もはや「知らない」とは言い難い雰囲気まで出ているようにも感じます。
2021年には企業経営者の約9割がSDGsを認知し、取り組んでいる、あるいは取り組もうと思う、と回答したとの調査もあるようです。

SDGsが話題に上がる際、必ずと言って良いほど一緒に述べられる「誰一人取り残さない」という理念。
逆説的な見方をすれば、現在のSDGsに注目している社会においては、SDGsを意識しない人・企業・国家は逆に社会から取り残されかねない、という潜在的な意味も含んでいるように感じます。

とは言っても、SDGsが指し示す分野は多岐に渡り、何から手を着けて良いか悩んでしまうかもしれません。
このコラムでは、SDGsについてのおさらいと、主に中小企業のSDGsとの向き合い方、取り組み事例など、分かりやすく解説していきます。

おさらい ~ SDGsとは ~

SDGsは「Sustainable Dvelopment Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、エス・ディー・ジーズと発音します。SDGsとは?

2015年の国連サミットにおいて、加盟国全会一致で策定された「持続可能な開発の為の2030アジェンダ」の根幹となる国際目標を指します。
(アジェンダとは、主に「計画」の意味で、プランに比べて「実行されるべき計画」の意味合いが強い語句です)

理念の源流は、2001年の国連サミットで提唱された「ミレニアム開発目標」にあります。 ミレニアム開発目標は、2015年を期限とし 主に発展途上国の貧困・飢餓・人権等を焦点とした8つの国際目標でした。

SDGsは、ミレニアム開発目標の後継として対象・分野を拡張した、より普遍的な理念と言えます。
SDGsが指し示す目標は大きく17に分類され、それぞれの目標を達成する為の具体的な169のターゲットから構成されます。 これらの目標は、先進国・発展途上国を問わず全ての国・人が共有するべき目標とされています。
※17の各目標の詳細は、国連広報センターのwebサイトで公開。

SDGsの各目標は、経済・社会・環境・人権等あらゆる分野での問題を解決し、「より良い世界」を目指す事を目的としています。

ここまでがSDGsについての簡単な解説でした。
次項では、企業にとってSDGsに取り組む事の意義、取り組まない事のリスクについて考えてみましょう。

SDGsに取り組む事の意義

冒頭に話題に挙げた「企業経営者の多くがSDGsを認知し、取り組もうとしている」という調査結果。
これはSDGsに取り組む事を単に道義的・人道的な観点だけではなく、「経営における重要な要素」として捉えている、と考えることができます。

なぜ、企業はSDGsに取り組むのでしょうか。 その一端を理解するのに、興味深い調査結果があります。
2021年末に行われた一般消費者を対象とした調査で、「SDGs達成に取り組む企業の製品・サービスを購入・活用したいか」という質問に対し、9割以上の回答者が「そう思う」「やや思う」と回答。
さらにこれらの回答者の中には、「価格が高くても選択する」という、商品選択の価値判断が「SDGs意識>価格」という消費者いたのです。SDGsに取り組む企業の商品・サービスの利用意向度

この潮流が何に繋がっていくか、予測は難しくありません。

まず、エンドユーザーのSDGs志向は、商品提供に至るプロセスを遡り、最終的に製造レベルにまで波及していきます。
対してメーカー側は、多数のエンドユーザーの意思を尊重し、競合他社と差別化する(≒競合に差別化されない)為に自社の製品・取り組みにSDGsの観点を受容していきます。 受容せざるを得ないのです。

ただ、大多数のメーカーは、様々なサプライヤーと共にサプライチェーンを構築して成立しています。 自社商品を「SDGsに取り組んでいる商品」としてエンドユーザーにPRするには、メーカー単独では限界があります。

すると、次の流れは何が予測されるでしょうか。
上述のエンドユーザーのSDGs志向を、メーカーも同じように持つ事になるでしょう。 エンドユーザーがSDGs志向でメーカーを選択するのと同じように、メーカーもSDGs志向でサプライヤーを選択する時代が近付いています。 そうなった時に、SDGsに取り組んでいない事が明らかなサプライヤーは、サプライチェーンから外されてしまう恐れが出てくるのです。

消費者のSDGs志向が、サプライチェーン全体へ波及する

SDGsに取り組む事が結果的に競争力を上げ、企業価値の向上に繋がっていく事。 反対に、取り組まない事が企業の経営リスクに直結し得る、という事はご理解頂けたでしょうか。

この項では、企業がSDGsに取り組む事の意義、取り組まない事のリスクを述べました。
では、中小企業はSDGsにどう向き合っていくべきなのでしょうか。 次項では実際の事例と共に、中小企業のSDGsへの取り組み方について触れたいと思います。

中小企業のSDGsとの向き合い方

「SDGsに取り組む」と一口で言っても、何から手を着けて良いか分かりにくいものです。

前述の通り、SDGsが目指すものは、世界のあらゆる分野における問題を解消に向かって導く事です。
その為 分野は多岐に渡り、17の目標・169のターゲット全てに取り組む事は特に中小企業にとって難しい事だと思われます。
その中で企業としてまず何をすべきか。 シンプルに考えると「目標を理解し」「できる事から確実に実施し」「周囲に知ってもらう」、この3プロセスです。

SDGs取り組みの流れ

まず、自社の事業がどの目標に関わっているかを把握しましょう。 身近な例を挙げると、
小売業でよく使われるプラスチック製の袋は、海洋プラスチック廃棄物になる可能性があり目標14番に関わります。 2021年のレジ袋有料化が記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
製造業なら、製造工程でどのくらいエネルギーを使用しているかを把握する事は、目標7番の入口
運輸業ならば、輸送に使用する車両がどれくらい二酸化炭素を出しているかを把握する事で、目標13番に関わっていく事ができます。
他にも、目標5番を目指して男女採用率の平準化を計画したり、目標8番を念頭に置いて働き方改革を行い従業員のQOL(クオリティオブライフ)向上を図ったり、企業にできる事はたくさんあります。

上記はほんの一例ですが、この様に自社の事業分野・活動がどの目標に紐づけられるか、あらゆる側面から検討・分析する事をお勧めします。 色々な観点で、ステークホルダーも含めた自社事業が社会とどのような関わりを持っているか、再認識する事で目標を設定しましょう。 当然、複数の目標に関連する事もあります。

身近にあるSDGs目標は洗い出せたでしょうか。次は具体的な対策のステップです。
無理のない範囲で、確実に進められる計画を立てましょう。

【事例】中小企業のSDGsとの向き合い方

参考として、いくつか中小企業の取り組み事例を下記にご紹介します。

①製造業(従業員111名)
照明の高効率化(LED)によって消費エネルギーを削減。 SDGs目標7・13に貢献
工場照明の水銀灯をLEDに更新し、消費エネルギーを約7割削減、二酸化炭素排出量年間20t相当の削減を果たした。
附帯効果として、電気料金も年間約97万円削減できた。
この取り組みを、SDGs取組活動事例としてホームページに掲載している。中小企業のSDGs取り組みの例

②旅客業(従業員62名)
業務に使用する車両の電気自動車化を計画。 SDGs目標は7番・11番・13番に関連する。目標期限は2030年。
今年度試験的に2台を充電設備と共に導入した。
車体に電気自動車である事を周知する塗装を施し、地域の方々に取り組みを周知する予定。

③食品流通卸売業(従業員65名)
商品保管する冷蔵倉庫の屋根に、太陽光発電設備を設置。 SDGs目標7番・13番に関連する。
自家消費する事で化石燃料由来の電力を削減し、再生可能エネルギー比率を上げた
残りの電力は電力会社から再エネ由来電力プランに切り替えて購入。 再エネ100%の事業運営を試みる。
太陽光発電の発電量を敷地内モニターに掲示し、地域及び来訪者へPRしている。

④卸売業(従業員150名)
社内にSDGs推進委員会を設置。部署横断型で定期的に意見交換を行い、SDGs目標達成に向けた取り組みを図る。
活動例:目標1・2番 生活困窮者を支援する為の食糧支援プログラムを実施。社内で余剰を募り、民間団体へ寄付。
目標7番 Reactionに加盟し、事業所9拠点及び関連会社の電力を再エネ100%電力に切り替え
地域のSDGs達成に向け、継続的に地域社会が抱える問題に焦点をあて、SDGs推進企業として振舞うべく活動。

上記は一例ですが、アプローチの手法が様々である事が見て取れると思います。
中でも目標7番・13番に関連する事例が多いですが、この2つはエネルギー問題と密接な関係があり、他の目標に比べ普遍性と具体性が高いためだと考えられます。

エネルギーは、事業に使用しない業種はないと言っていいほど普遍性の高い分野です。
また、省エネルギー・クリーンエネルギー化と対策についても具体性が高い為、照明のLED化、設備の高効率化、ガソリン車の転換など、手を着けやすい分野とも言えます。

その為、何から始めてよいか優先度で悩む場合は、エネルギー削減の取り組みから検討すると良いでしょう。

比較的とっつきやすいテーマだからこそ、その部分は確実かつ着実に推進していってほしい、というのが行政側の本音です。
なので、行政も補助金や優遇措置などで、取り組みに向けた後押しをするのです。 これを活用しないのは「もったいない」とも言えます。

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